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2009年8月29日 (土)

いよいよ明日…

8月20日の朝日新聞から

民主党のマニフェストの一部

「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」

これまでも在日米兵の犯罪への不公平な扱いなどの問題を抱えながら、自民は改定に手を付けかねていた。これは、協定の改定には米議会の批准承認が必要になるから、対米追従の自民や官僚などの政府当局者には手がつけられなかった。

在日基地にしても、縮小・返還を米国に働きかけてはきたが、「基地の島」沖縄の例をとってみても大きな変化はない。

加えて、日本の防衛を担う在日米軍には、「米国の世界戦力」に基づいてアジア、中国などを睨むもう一つの顔があり、このため再編の見直しの壁はあまりにも厚い。

これらに手をつけようというのが民主党の問題提起的マニフェスト。

民主の揚げる「緊密で対等な日米関係」は現与党である自民党の「対米追従」から距離を置き、それが地位協定や米軍再編という政策という形となっている。

これまで…

日本は、戦後の占領統治を経て、西側陣営の中で米国の圧倒的な軍事力に安全を、経済力に繁栄を依存してきた。それは自民党政治の歴史と重なる。

また、米国にしても、東西の冷戦時代、反共の防波堤としての日本の戦略的重要性は大きく、安定した親米保守政権が日本に存在することがアジア政策の支えでもあった。

同時に、自民党政権にとっても、米国との強い絆が政権の生命線であり、その基盤が日米安全保障体制だった。

憲法9条と安保、反戦・反核の国民感情と米国の意向をどう両立させるかがずっと戦後外交の中核にあり、その後の経済発展と冷戦の終結を経ても、その外交政策づくりの基本的発想は変わらなかった。

そして…

湾岸戦争や同時テロ後のアフガン戦争で米国は日本の貢献を求め、イラク戦争では国論が二分する中、小泉政権は戦地へ自衛隊を派遣した。

つまり…

北朝鮮の脅威などが出てきたにしても、結局のところ米国の意向に沿っていれば日本は安泰という過去の成功体験の呪縛から自民は今も逃れられていない。

北朝鮮の核・ミサイルの脅威、中国の軍拡などの懸念が広がるなか、自民は対米外交の実績と日本を守る責任力を説く。そのために一層、日米同盟を巧みに生かさなければならないのだが、今、日本外交には脱皮や転換への風が吹いている。

それは…

世界は、国対国の伝統的な戦争の危険は減った半面、核拡散、国際テロ、地球温暖化防止、貧困lと紛争と言った新しい脅威に直面しており、従来の同盟や安全保障では対応しきれない。新しい発想で新しい国際的な絆を作るのが日本の安全を守ることに繋がる。

核不拡散や対話による多国間外交を掲げたオバマ米大統領の登場は米国がこうした新たな脅威に対応しようと踏み出したことを示している。

だとすれば、日米同盟も変わらざるを得ない。軍事的手段だけでは展望が見えにくくなっているアフガン情勢では、インド洋での給油支援の継続か否かに目が向きがちな日本だが…アフガンの経済や社会再建にできることは何か。オバマ政権や国連との協議、調整に積極的に取り組むことが日米同盟を強めることになるはずだ。

政治的、経済的に重きを増す米中関係。それを地域の安定に繋げるために日本は何を為すべきか。そうした政策の鍛練があってこそ、基地問題をめぐる対米協議を進める説得力も増す。

憲法と日米安保はこれからも外交の基本であり続けるであろうが、その上で新しい課題にどう立ち向かうか。外交に継続は必要だが、新しい構想力を伴わなければ変化には対抗できない。そういう時代に直面している。

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…って、朝日新聞、それを民主に望みますか?

まず、具体的にどう見直すというのか? 「緊密で対等な日米関係」とはどんな関係か?

少しも想像できない。確かに

これまで、政権を担ってきたのではないから経験や実践から来るものがなくてもそれは仕方がないことかもしれないが

民主率いる連立は完全保障、防衛に関しては真っ向から対立する社民なんかもいるわけで。

まず、政権交代ありきはわかるが

「民主党のアフガニスタン安定化策の素案(30日現在) … 国連にも働き掛け、アフガンに軍隊を駐留させる米国など関係国と、反政府武装勢力タリバンの双方に戦闘停止を要請。アフガンとパキスタン国境地帯から米軍、北大西洋条約機構(NATO)軍、パキスタン軍が撤退、代わりに日本を含む複数国でつくる国際停戦監視団が現地に展開する構想。日本政府がホスト役となり、和平実現に向けた国際会議を東京で開催することも想定。  現状では停戦合意の形成は極めて困難とみられ、党内で異論が出ることも予想されるが、小沢一郎代表は基本的に了承しており、鉢呂吉雄「次の内閣」外相を中心に近く成案をとりまとめる。   素案によると、国際停戦監視団は、これまで戦闘に関与していないサウジアラビア、ヨルダンなどのアラブ諸国と日本で構成。武器は携帯せず、アフガン警察やパキスタン側の自警組織の治安維持を支援する。日本からは自衛官の派遣を想定している。」

本当にこれが実現できると思えるのだろうか。あり得ない! まず、自衛隊派遣というところで社民党が噛み付くだろうと思う。 その後のごちゃごちゃはどのように収拾がつくのか…。(自衛隊が憲法違反ではないとする民主と憲法違反であるとする社民の合意はあるのか???)

なにより、アフガン問題はそんな簡単に解決できるもんではなかろう。

この後、どこかのテレビニュースでなにやら言っていてそれも書こうと思っていたが、内容を忘れた…

どの党も、耳障りの良い国民の生活救済のためのマニフェストは声高に言い立てる。確かに大切ではあるが、日本が世界と対等に渡り合うための国際交渉力や外交にはもっと力を注がないといつまでたっても発言権を認めてもらえない。

仮に、上記のホスト役を果たしたいのなら、リーダーシップを取っていくためには何が必要なのか。

米国の核の傘が嫌なら、何をしなければならないのか…。

多分、明日からは民主党政権となるだろうから…民主党の皆さんは肝に命じて、肝を据えて考えていって貰いたい。

でないと、国民はすぐにそっぽを向きます。

参考までに

「子ども手当」は、「配偶者控除と扶養控除の廃止」と一緒に行われるので、子どものいない家庭ではかなりの増税。子どもがいても、高校生以上の専業主婦の世帯では、やっぱり増税。
「CO2の25%削減」。これも実際は、家計の負担が年間で36万円もアップ。
与党が批判された「後期高齢者制度」の廃止は、75%もの世帯で保険料の負担が大幅にアップ。

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2009年8月20日 (木)

私なりに考えている

まずは、8月12日付け『毎日新聞』より

農林水産省が11日に08年度食料自給率を発表した。 前年度比1p増しの41%。

国産農産物の豊作、海外の穀物相場高騰による輸入の減少など外在的要因によるところが大きく、実際は自給率を大きく左右する米の消費が減少するなどの逆風要因もあり、今後この自給率の回復傾向が続くかは不透明。

農家や農地の減少も続いており、自給率より「自給力」の強化を求める声が強まっている。

08年度の自給率上昇の理由として、農水省は…

①砂糖の原料である沖縄県などのサトウキビが台風被害もなく豊作だった

②コメの生産調整(減反)強化で、転作作物である大豆の作付けが東北・九州で増えた

③世界規模の穀物価格高騰のあおりで高値となったチーズや食用油の輸入が減少

一方、国民一人当たりの年間コメ消費量は外食需要の落ち込みで大きく減り、1960年度以降で初めて60kgを割り込んだ。

07年度で自給率回復の一因となった消費者の「コメ回帰」は一過性に終った形で、08年度の穀物価格高騰などが収まれば自給率は再び下落基調に戻るのでは…。

米離れ以上に深刻なのは生産基盤の弱体化。日常的に農業に携わる基幹的農業従事者は1960年の1175万人から09年の191万人まで減り、その61%を65歳以上の高齢者が占めている。

1961年に609万㌶あった農地面積も08年には463万㌶に減少、耕作放棄地は05年に39万㌶に達している。

政府は自給率を15年度に45%、長期的には50%に引き上げる目標を掲げているが、石破農相は「自給率はあくまで結果の数値」とし、農地面積や農家数などの基盤を強化する重要性を訴えた。

移ろいやすい自給率より、世界の食糧事情や国内の消費構造の変化に対応しうる農業基盤の確立が急務になっている。

お次は、8月14日付け『朝日新聞』から…

国内産コンニャクイモ事情について。

コンニャクイモは、国内農業保護の象徴とされてきた。関税額は1㌔当たり2796円、関税率に換算すると1705%。農産物では最高だ。因みに下記は日本の主な高関税農畜産物

《*コンニャクイモ1705%  *コメ778%  *落花生737%  *でんぷん583%  *大豆403%  *バター360%  *粗糖305%  *大麦256%  *小麦252%  *脱脂粉乳218%》

ただ、コンヤクイモの栽培農家の経営は楽ではなく、90年代初めは6000戸だったのが07年には2000戸を割り込んでいる。

07年夏の台風の影響で国産イモが不作になり、価格が高騰した時はミャンマーからの輸入が激増。今年2月、特別セーフガード(緊急輸入制限)が発動された。

関税がなければ、中国やミャンマー産コンニャクイモの価格は国産品の4分の1程度で競争にならない。

コンニャクイモ農家で生産者団体の会長、大河原さんの関心は「世界貿易機構(WTO)多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)」の行方だ。

《*ドーハ・ラウンド…WTOに加盟する153の国・地域が参加し、鉱工業品・農産品の関税引き下げやサービスの自由化、貿易円滑化などを協議する。2国間・地域の自由貿易協定(FTA)と異なり、参加国・地域の関税を一括で引き下げる効力がある。》

農水省は、もしコンニャクイモの関税が撤廃されれば、国内農家の9割は栽培を止めると予想する。「食料は外から手に入れればいいのか」と大河原さんは言う。

今回の総選挙では、自民・民主とも農村票の獲得を狙い、農業重視を打ち出した。

ところが、ドーハ・ラウンドについては、両党とも早期妥結で一致し、素っ気ない。FTAの場合は双方が合意すれば、農産物など特定分野を関税引き下げから除外できるが、世界共通のドーハ・ラウンドではそうはいかないのだ。(二者間と違って各国の譲れない事情があるからな~…)

昨年夏の閣僚交渉でWTO事務局が示した案では、各国が関税引き下げを緩和できる重要品目数は最大で全体の6%。日本が今、高関税をかけて守っている品目のほとんどを保護できるのは8%で、6%が決定したなら、現在の125品目から40品目以上の関税引き下げが迫られることとなる。

結局、今回の閣僚交渉は決裂したが、今年7月上旬の主要国首脳会議(G8サミット)は、改めて交渉の「10年中の妥結」を打ち出した。

総選挙後の9月3、4日にはWTOの非公式閣僚会合が予定されているが、今後の交渉で、農産物の関税引き下げが求められるのは確実で、品目によっては保護を断念する苦しい選択も予想される。それにより、国内価格の低下も想定される。

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民主がマニフェストとして揚げたことで、FTAという耳慣れない言葉が一市民の私たちの間でもポッと浮かんできた。民主マニフェストの中の「米国とのFTA(自由貿易協定)締結」を農業関係者からの反発で「交渉を促進 国内農業の振興を損なわない」と修正したことで、米国とのFTAというものがどうやら国内農業にとって良いものではないんだろうな~という素朴な疑問が湧き…。なので、追加修正されることになって良かったのではないか。

「声をあげる」って大切なことだ。(今回の選挙でなにが良かったかというと、国の政策を国民が選べる形が(今のところ形だけでも)出てきたことだと思う)

「知る」ってもっと基本的でもっと大事なことだ。これを機会に、老若男女、政治を自分に引き寄せてしっかり考えて選んでみよう。

で、そうそう、ドーハ・ラウンド…。

これも耳慣れない言葉で、しかも上記の記事を読んでみた限りでは、FTAより大事なもののように思われる。

であるのに…。

(私たち多くの国民が知らないところで、世界で、日本国は交渉力の弱さを露呈している…。国際間における日本の押しの弱さってどこから来るのだろうか思ってしまう)

農業に関してだが、私たちの前に広げられたものは民主マニフェストの「農業の個別所得補償」という形のいわゆるバラまき。自民マニフェストの全然具体的じゃない農業支援策だ。バラまきで、日本の農業が元気になるのはほんの一時期だけ。具体的じゃない支援策は絵に描いたモチだ。必要なのは、農地面積やら農家数の増加につながる具体的な農業の底上げ策だ。世界の食糧事情や国内の消費構造の変化に対応しうる日本農業基盤の確立だ。そのための、具体的な農業政策だ。

……農業ひとつとってもこんな………

ちょっとトんじゃうかもしれないが、政権交代や政権維持のための、「わかりやすい」「国民に阿るような」バラまき型の政策ではなく、たとえ今は評価され難くとも、日本の国力を高めるような長期的展望の公約を一つか二つ掲げてもよかったろうに。近い将来、中国がアメリカと肩を並べるようになる時に、日本がどの位の国力と国際影響力を持っていられるかでアジアでの立ち位置も世界の対応も全然違うのにねぇ…。

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2009年7月20日 (月)

企業の農業参入加速(日経)

18日(土)の日経から…

企業の農業参入が加速してきた。…イオンは全国十数か所の農場を運営し、1~3割安いプライベートブランド野菜を販売する。…ワタミやカゴメもすでに参入しており、セブン&アイ・ホールディングスも全国展開を計画中。

イオンは企業が自治体から農地を借りる「農地リース方式」を使い、茨城県牛久市の2・6ヘクタールの土地で小松菜や水菜、キャベツなどを9月から生産する。参入のための新会社を10日付けで設立した。生産した野菜は青果市場を通さず自社の物流網活用などでコストを削減し、店頭価格を抑える。初年度は約300トンを収穫し、茨城県や千葉県などの「ジャスコ」15店でPBとして販売する。

3年後には農地を15ヘクタールに広げ、収穫量も1500~2000トンに増やす。今後は北海道や九州まで同規模の農地を広げて、PB野菜の売上高は年間数十億円になる見通し。

イオンと並ぶ二大小売のセブン&アイは、農家や農協との共同出資で千葉県に農業生産法人を設立する形で2008年に参入した。農協や農家と提携しながら、今後2年以内に全国10箇所に同様の農業法人をつくる。

先行参入した食品関連大手も事業拡大に動いている。居酒屋のワタミは生産した野菜を自社の約600店でサラダなどに使用しており、13年までに農場の規模を現在の約480ヘクタールからう約600ヘクタールに広げる。

食の安全を巡る問題が後を絶たない中、企業は生産履歴のはっきりした商品を扱っていることを消費者にアピール。農業の担い手不足で耕作放棄地が拡大しているため、野菜などの安定調達基盤をつくる狙いもある。

政府は特に00年以降、企業の農業参入を後押しする制度を整備し、05年からは農地リース方式が全国で認められた。同方式で農地を借りられるのは市町村の指定した場所に限られ、耕作放棄地も多かったが、今年6月に成立した改正農地法が年内にも施行されれば貸借が大幅に自由になる。同時に、原則10%だった農業生産法人への企業の出資制限も緩和される。

こうした仕組みを活用してイオンやセブン&アイは事業を急拡大するほか、新規参入も増えるのは確実だ。ただ、安定した品質の野菜を大量生産していくには、ノウハウの確立や農業従事者の育成・確保が課題となる。

イオン…参入2009年。 茨城県で農地リース方式で参入。1~3割安いPB野菜販売へ

セブン&アイ…2008年参入。 千葉県に農業生産法人。今後2年以内に全国10箇所に法人を拡大

サイゼリア…2000年参入。 7月からルッコラなどを水耕栽培。店舗でサラダなどに使用

カゴメ…1999年参入。 全国8箇所の大型菜園でトマトを栽培。食品スーパーなどへ供給

JR東日本…2009年参入。 茨城県石岡市の農協と共同で法人設立。駅の蕎麦屋の食材に利用

    

企業の農業参入

参入手法は2つに大別され、農地取得が可能な農業生産法人に企業が出資するケースと、企業が市町村から農地をリースする方式で借りて農作物を生産するケースがある。現在、参入した企業はリース方式だけでも約350社に上る。

食料自給率向上などを目的に改正農地法が6月の国会で成立。10%だった農業生産法人への出資上限を企業の技術や販売網活用する場合は50%未満に上げた。企業が借りられる農地は市町村が指定した耕作放棄地の多い地域などに限られていたが、大幅に規制緩和し、借用期限も最長20年から50年に延ばした。

今はいいことだと思う。企業が例え、自社のためにではあっても、農家や農協と連携して農業をしたり農業生産法人を設立したり、農業従事者の育成に乗り出してくれれば農業の活性化につながるし、国や行政がしきれていない消費者への訴えやアピールにもなると思うから。

でも、農業の活性化を企業まかせでよいわけはなかろう。企業は、自社利益のために農業を活用していき、それはある意味、確かに農業の活性化に貢献するが、真の日本農業全体の活性化につながるのか? 食料自給率向上のための日本農業の底上げとなるのか?

行政は、企業の農業参入を後押しするなどとどこか他人まかせの制度を整備するだけではなく、今後、企業の農業参入から漏れてしまう耕作放棄地や零細農家などへの対処を含む積極的な農業政策をしていってほしいと思っている。

確かに、減反の見直しなど問題は山済みではあるけど…。

生産者同士でつくる農業生産法人への積極的な援助とかなんとかできないものか…

それにしても、いったいどれくらいの人が、日本の農業の深刻な状況や自給率の大切さを実感しているだろうかと思う。

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2009年5月 4日 (月)

太陽光発電、風力発電 その前に スマートグリッド

スマートグリッド

スマートグリッドとは、エネルギーとコストを節約するために情報技術を用いて供給者と消費者の間の電力伝送を行う技術のこと。

米政策「グリーンニューディール」の柱とも言うべき技術構想で、「電気を送る送電網が頭脳を持ち、最適な電力供給体制を構築する“賢い”次世代送電システム」。つまり、送電網に通信・制御システムを組み込み、発電施設と家庭や工場、ビルなどの施設を結び、発電量に加え、使う側の電力量まで増減させるというもの。

具体的に言うと…一例として、夏に温度が急上昇し、使用電力が増えると発電量を増やしたり、蓄電施設からの供給を素早く指示。それでも足りないと、エアコンの設定温度を下げるなどで、使用電力を減らしてくれる。

また、地球温暖化防止の切り札である太陽光や風力などの自然エネルギーは天候の変化で発電量が突然激減するなど、供給不安定で大量に電力網に組み込むと、電気の需給バランスが崩れ、大停電が起こるリスクもあるのだが、こうした事態を避けることが出来るようになる。使用する側の電気量調整だけでなく、送る方の電気も蓄電機で蓄積することによって、安定した量を出す事ができる。天候に大きく左右され電力供給が不安定な自然エネルギーの欠点を補い、地球環境に一番良い、自然エネルギー利用に希望が持てるシステムだ。

米国では、グリーンニューディール政策の中で重点投資を打ち出し研究も進んでいる。米国ではすでにカリフォルニア州やテキサス州の一部地域で、システムのカギとなる「スマートメーター」が導入されている。(スマートメーターは、電力供給者と消費者の間でデータをやり取りし、エアコンの温度設定を変えるなどの働きを担う)

それに引き換え、日本政府は明確な普及促進に向けた戦略を打ち出しておらず、国際競争力で米国に大きく後れをとる懸念も出ている。日本の独立行政法「新エネルギー・産業技術総合開発機構」は8日、スマートグリッドについて米国と研究協力を進めるための情報交換を開催すると発表した。双方の専門家約30人が参加する。

後れをとっっている日本だが、システムのもう一つのカギである蓄電池は、世界シェアで6割を握るリチウムイオン充電池を送電網に組み込むための大型化の研究開発が進行。さらに、日本ガイシと東京電力は、より大容量の「ナトリウム硫黄(NAS)電池」を共同開発し、風力発電施設ですでに実用化している。

懸念材料は、政府の腰の重さだ。エネルギー安全保障や地球温暖化問題への対策のひとつとして 多くの政府が推進し、米政府は大型の蓄電池開発研究に20億ドル(約2000億円)を投じる方針を決めたほか、関連ベンチャー企業を支援するため、60億ドルの融資保証制度も創設した。

これに対し、日本政府は「スマートグリッドの定義はまだあいまいだ」(経済産業省)という段階で、研究開発の戦略や支援策は打ち出されていない。

経済産業省の望月事務次官は、2009年2月19日の記者会見で、アメリカでスマートグリッドが提唱されているのは送電網がつぎはぎだらけでよく大停電をおこすのが理由で、日本は送電網がしっかりしているから追従する必要はないのではないかという見方を示した。

「エネルギー需給に革命をもたらす」(荻本和彦・東大特任教授)とされるスマートグリッドの開発競争で勝利した国が、標準規格や関連特許を握り、国際競争力で圧倒的に優位に立つ。対応の遅れは、日本が得意とするデジタル家電やIT分野の製品が海外で売れなくなる恐れすらはらんでいる。

日本は、原子力ありきだ。

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太陽光発電、風力発電 その前に

4月22日の朝日新聞から

米国が使用済み核燃料の再処理施設と高速炉の建設を断念した。原発のゴミを減らし、核不拡散を実現する見通しがつかないまま巨額の経費を投じることに疑問と反発が強かったためとのこと。

(確か、米国は第一次石油危機以降、建築費の高騰のため原子力発電の開発がストップし、建設予定の74基(うち28基は着工済みだった)すべて中止されたことがあった。今回は、オバマ大統領の核不拡散宣言というのもあるけど、不況下での巨額の経費ってのもネックというのは似ている…)

アメリカには104基の原発があり、使用済み燃料が出続けている。

もともと米国は、使用済み燃料を再利用せず直接処分する政策だったが、ネバダ州にある最終処分場計画が大幅に遅れ15年頃から処分場が不足する恐れが出てきた。

それで、ブッシュ政権下の06年、再処理して(使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して)廃棄物の量を減らし処分場の寿命を伸ばす狙いから、国際原子力パートナーシップ(GNEP)構想が発表された。

そして米国は、(直接処分政策を続けていたため再処理の技術の蓄積がなかったことから)日本、仏国、露国などを巻き込んで30年ぶりに核燃料サイクル政策にかじを切ろうとし、20年ごろに再処理施設と高速炉を建設する計画を立てた。

だが、新しい再処理技術も高速炉の形式もめどが立っていない。

というのは、米科学アカデミーが07年、パートナーシップ構想の再処理計画を非難する「技術の開発状況が整っていない」という報告書を提出したためだ。パートナーシップ構想は、核テロに使われる恐れがあるプルトニウムに、(核兵器に加工できないように)放射能が高く危険な物質を混ぜて取り出すという新技術をうたっていたが、使用済み核燃料の中に閉じ込めたままのほうが不拡散になるとの意見も根強かった。

再処理施設の建設費は規模や諸条件で異なるが、170億ドル(約1兆7千億円)とのコンサルティング会社の見積もりもあり、実現に懐疑的な見方もあった。08年度予算はブッシュ政権が約4億ドル(約400億円)を求めたが、議会は半分以下の額しか認めなかった。

日本も同じ問題   試運転トラブル続き

使用済み核燃料の再処理は、プルトニウムなどを取り出すことで資源を有効利用し廃棄物を減らせるのが利点とされる。日本はこの「核燃料サイクル」を原子力政策の基本に据え、非核兵器保有国で唯一、商業再処理が認められている。

資源エネルギー庁幹部は、米国の政策転換について日本の政策には影響ないと話すが、米国と通ずる問題は抱えている。技術的課題と膨大な費用の問題だ。六ヶ所村の再処理工場は建設に2兆1930億円をかけたが、今後40年で再処理などに約19兆円かかると試算され、電力会社が電気料金から積み立ててるのが現状だ。06年に試運転を始めたが廃棄物処理過程でトラブルが続き、本格稼動がずれ込んでいる。

再処理の先にあるのが高速増殖炉。プルトニウムは当面、既存の原子炉でプルサーマルで燃やす計画だが、それは燃料節約の効果が小さい。高速増殖炉なら燃料を使った以上に増殖できる。ただ、高速増殖炉は冷却に使うナトリウムの扱いが難しく、ナトリウム漏れを起こした「もんじゅ」はとまったままだ。(ただし、もんじゅを再開しようという動きは出ている)

日本は、05年に閣議決定された原子力政策大網で再処理、高速増殖炉路線を選択したが、再処理工場をはじめとする核燃料サイクルの行き詰まりが長引き、米国のように見直し議論が再燃しかねない。

オバマ政権は核不拡散を念頭に、日本の新施設の建設には厳しい態度で臨むとみられる。

日本は、六ヶ所村の再処理工場の次を担う第2工場の検討を10年ごろから始める。

無知で申し訳ないが、日本は「核燃料サイクルを原子力政策の基本に据え」、再処理、高速増殖炉路線を選択していたとは知らなかった。

どうりで、原発反対運動が、実らないわけだ。

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2009年4月19日 (日)

電子力発電について その7 発電コスト

1kWhあたりの発電コスト(通商産業省資源エネルギー庁調べ)

原子力 5.9円

LNG火力 6.4円

石炭火力 6.5円

石油火力 10.2円

水力 13.6円    (…H11年)

この試算は漁業補償金や原子力の再処理、バックエンドコストを含んだものだが、地方交付金は含まれていない。原子力は、燃料費の割合が低いため燃料費の高騰による価格の高騰を招きにくい特性がある。…が、「原子力の発電コストは運転率80%を前提としており、安定連続発電を続けないとコストは幾何級数的に跳ね上がる」「事故や老朽化で廃棄された原子炉の最終処分までのコストやその後の半永久的な管理コストについての費用見積もりが十分に考慮されていない」というような意見もある。

2005年に特定非営利活動法人「原子力資料情報室」が発表した試算によると、運転年数40年の場合の1kWhあたりの発電コストは以下

原子力 5.73円

LNG火力 4.88円

石炭火力 4.93円

石油火力 8.76円

水力 7.20円

1kWhあたりの二酸化炭素排出量

電力中央研究所がH12年に発表した、発電所の建設から廃止までの試算は以下。

原子力 22グラム

LNG火力 608グラム

石炭火力 975グラム

石油火力 742グラム

水力 11グラム

(原子力は発電時の二酸化炭素排出は全くないが、建設・運用・廃止、輸送などに若干の排出が見られる。(水力も同じ)

発電所建設費の例

原子力 北海道電力泊発電所 約2926億円 91.2万kW出力(H21年12月運転予定)

天然ガス 伊千原発電所 約100億円 11万kW出力(H16年運転開始)

石炭 北陸電力敦賀火力発電所 約1275億円 70万kW出力(H12年運転開始)

水力 東京電力神流川発電所 約5250億円 270万kW出力(H23年運転予定)

風力 郡山布引高原風力発電所 約120億円 6.6万kW出力(H19年営業運転開始)

世界の原子力発電所開発状況

(2003 計画中も含む ()内は発電量 万kW)

米国 103基 (10243)

仏国  59基 (6613)

日本  53基 (5935)

露国  33基 (2556)

韓国  26基 (2452)

独国  18基 (2169)       世界合計:498基 (43549)

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2009年4月18日 (土)

原子力発電について その6 原発事故

炉心溶解

核分裂反応が連鎖している状態を臨界という。この連鎖が異常に高い効率で、核分裂が進むとすぐに核燃料内部が中性子であふれ、出来るだけ速やかにすべてのウラニウム235の原子核が核分裂する方向へ動く。制御を超えて一度に進む核分裂反応はエネルギーの発生も一度に起こり、発生する高熱と強力な放射線があたりに放たれる。これが核爆発。(核の暴走みたいなもんか)

ただし、現在の発電用原子炉で核爆発が起こる事は全く無く、起こりえる最悪の可能性は、進みすぎた核分裂反応による高温のために炉心が溶け落ちる炉心溶解である。

炉心溶解を避けるために、核燃料の精製度や量、形、配置、反射材、制御棒の高さ、静の圧力、ホウ酸の量、可燃性毒物の量などの調整により制御された範囲内で核分裂が進むようにしている。また、多少の調整のブレがあってもすぐには制御を離れないように最初から炉心での反応そのものが簡単には進まないようにしている。

以下にこれまでの原発事故の主なものをあげるが、つらつらとみてみるに、人災と施設の不備・欠点が主(ってそもそもこの二つしかないか)。施設の事故はまだ防げる可能性もあるが、人災は防ぎようがない。一度の事故で取り返しのつかない最悪な状況を引き起こす原発の永遠の課題。

軍事以外のこれまでの主な原発事故

1957年  ウラル核惨事プルトニウムを含む200万キュリーの放射性物質が飛散した。ソ連は当時、この事故を極秘としていた。放射性物質の大量貯蔵に伴う事故の危険性を知らせた事故。 

同年   ウィンズケール火災事故世界初の原子炉重大事故。炉心での減速材の過熱により火災が発生、16時間燃え続け多量の放射性物質を外部に放出した。避難命令が出なかったため、地元住民は一生許容線量の10倍の放射線を受け数十人がその後白血病死した。現在の白血病発生率は全国平均の3倍。

1961年  SL-Ⅰ事故…軍事用の試験炉で軍事基地の暖房としての出力もあった。当事者が死亡しており原因ははっきりとは分からないが、制御棒を運転員が誤って引き抜き原子炉の暴走が起きたと考えられた。事故で放出されたエネルギーは50MW秒、炉内の100万キュリーの約1%が放出された。事故当時の3人の運転員のうち2人は即死。生き残った一人を救急車で搬送しようとしたため、その救急車も放射能に汚染され放射性廃棄物として処理された。三人の死体は露出していた頭部などの汚染度が酷かったため、切断して高レベル放射性廃棄物として処理しなければならなかった。

1966年  エンリコ・フェルミ1号炉…米国の高速増殖炉試験炉。炉心溶解を起こし閉鎖された。炉心溶解事故の最初の例。

1979年  スリーマイル島原発事故炉心溶解事故レベル5の事故。不完全な設備保全、人間工学を重視していない制御盤配置、運転員の誤判断等が重なって発生した。この事故の影響で米政府は新規原発建設中止に追い込まれた。

1986年  チェルノブイリ原発事故…記憶に新しい事故。チェルノブイリ4号機が爆発・炎上し、多量の放射性物質が大気中に放出されたレベル7の深刻重大な事故事実上人類史上最悪の原発事故である。無許可での発電実験中、安全装置を切り制御棒をほとんど引き抜いたために出力が急上昇して起こった。世界規模で被爆した。この事故を契機に国際的な原子力情報の重要性が認識され、世界原子力発電事業者協会(WANO)が結成された。

(沸騰水型原子炉臨界事故)

1973年  バーモンドヤンキー原発…検査のため引き抜いていた制御棒の隣の制御棒を誤って引き抜き炉心の一部が臨界。

1976年  ミルストン原発…臨界状態。

1987年  オスカーシャム原発…制御棒の効果検査で引き抜いていたところ、想定外の臨界状態になり、運転員が気付かず臨界状態が続いた。

日本の主な事故(レベル2相当以上の事故)

1978年  東京電力福島第一原発事故日本初の臨界事故。戻り弁の操作ミスで制御棒5本が抜けた。沸騰水型原子炉で、弁操作の誤りで炉内圧力が高まり、制御棒が抜けるという本質的な弱点の事故。この情報は所内でも共有されず、所内、また他の原発でも繰り返された。本質的な弱点なので、世界中で起こっている可能性がある。事故は29年後に発覚、報告されたが、東京電力は「当時は報告義務がなかった」と主張。

1989年  同所…原子炉再循環ポンプ内部が壊れ、炉心に多量の金属粉が流出した。レベル2。

1990年  同所…主蒸気隔離弁を止めるピンが壊れ、原子炉圧力が上昇して「中性子束高」の信号で自動停止した。レベル2。

1991年  関西電力美浜原発事故主蒸気隔離弁の伝熱管の1本が破断し、非常用炉心冷却装置が作動した。レベル2。加圧水型原子炉特有の弱点である。この事故で、マスコミの連日のオーバーな報道によって加圧水型原子炉が沸騰水型原子炉に比べて危険なもののように印象付けられた。その後も、制御棒の搬入方法や日本特有の条件を無視して、スリーマイル島事故と合わせ「加圧~は沸騰水~より反応余裕度が少なく危険」と断じる評論家が多い。

同年   中部電力浜岡原発事故…誤信号により原子炉給水量が減少し、自動停止した。レベル2。

同年   同所…炉内圧力が高まり、制御棒が3本抜けた。中部電力は翌年に、マニュアルを改訂した。「国への報告はしなかったが他電力へ報告した」と主張。

1997年  動力炉・核燃料開発事業団東海再処理施設アスファルト固化施設火災爆発事故…低レベル放射性物質をアスファルト固化する施設で火災発生・爆発。レベル2。

1999年  北陸電力志賀原発事故定期点検中に弁操作の誤りで炉内圧力が上昇し3本の制御棒が抜け想定外で無制御臨界になり、スクラム信号が出たが制御棒を挿入できず、手動で弁操作するまで臨界が15分続いた。スクラム用の窒素を全ての弁から抜いてあったというミスとマニュアルでの弁操作が開閉逆だったというのが原因。運転日誌への記載も本社への報告もなかった。レベル1-3。日本で2番目の臨界事故。この事故に関して一部マスコミで「沸騰水型の制御棒は下から挿入されるので、水圧が抜けると落下する危険がある」との誤報があったが、実際は「水圧装置の誤作動により引き抜き操作が行われたのであり、重力の影響で落下したのではない」ことに要注意。

同年   東海村JCO核燃料加工施設臨界事故日本で3番目の臨界事故。レベル4。

その他の有名な事故

1973年  美浜原発燃料棒事故…核燃料棒が折損する事故が発生。関西電力は公表せずに秘匿していた。内部告発。

1974年  原子力むつ…放射線もれ事故

1995年  動力炉・隔離弁開発事業団高速増殖炉もんじゅナトリウム漏洩事故…2次主冷系の温度計のさやが折れ、ナトリウムが漏洩、燃焼。レベル1。この事故で、もんじゅは10年以上経った2008年現在も停止したまま再起動の動きがあるのでは

1998年  福島原発…定期検査中、137本の制御棒のうち34本が50分間、全体の25分の1抜けた。

2004年  関西電力美浜原発2次系配管破損事故…2次冷却系のタービン発電機付近の配管破損により高温高圧の水蒸気が多量に噴出。作業員5名が熱傷死亡。

2007年  新潟県中越沖地震に伴う東京電力柏崎刈羽原発での一連の事故…発生した中越地震により、外部電源用の油冷式変圧器が火災を起こし、微量の放射性物質の漏洩が検出された。また、高波によって敷地内が冠水、使用済み燃料棒プールの冷却水が一部流出この事故により、柏崎刈羽原発は全面停止を余儀なくされた

(軍事事故は略)

さて、これを多いとみるか、少ないとみるか…。危険と言われる施設にしては意外と被害が少ないとみるか、一度起こったら取り返しがつかないとみるか。施設の保全をしっかりしていたら、少なくとも大事故にはならないと思うか。

やはり、中立な立場の複数の専門家たちの公平な目でみた意見がききたい。

世の中は原発推進に動いているのは間違いないのでは。特に日本は…。オバマ米大統領はグリーンニューディールで自然発電に力を入れようとしているけど、日本の電力会社は全然自然発電には乗り気ではないようだ。

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2009年4月16日 (木)

原子力発電について その5 公正な評価の難しさ

原発において様々な評価をする場合、極めて高い専門性が必要となる。

日本では、原子力発電の研究者の多くが電力会社、発電プラントメーカー、原子力関連産業、原子力関連機関で働いているか、国の核開発予算から研究助成金を受け取っている大学教授などである。したがって日本政府の原子力政策に対して、批判的な発言をしたり、この政策に不利となるデータを出すことはかなり困難であると推察できる。

一方、原発反対派の発言においても専門知識の欠如に起因すると思われる事実誤認や公平性に欠けていると思われる偏った視点での分析がなされていたり、情緒的議論に流れがちである。

学者に言葉をつくされて「危険じゃない、大丈夫だ」って言われれば、そしてそれが分かり易く納得できるように組み立てられた理論で、その恩恵を被る立場であれば、受け入れるかもしれない。

御用学者だからという理由で根拠がないまま全てを疑ってかかるのはすっきりしない。如何なものか。

問題点にあったように万が一の時の、取り返しのつかない、甚大な被害と汚染は紛れもない事実だと思う。ただ、それがどの位の確立で起きるものなのか、とか、問題点か利点(利益)かどちらを重視するかで反対か推進か分かれるのだろうな…。

この問題は、(まぁどの問題でもそうだけど)いつまでたっても平行線です。だから、持論で戦うしかないのか。上記の文章につきると思う。

誰か、公平な立場の専門家を紹介してくれないかな~。公平な視点で見てみたいと切に思う。

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原子力発電について その4 諸議論

利点

これ! 発電時に地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を排出しない

*中東に大きく依存するガス、石油と違い、ウラン供給国は政情の安定した国が多い(原発のあとに書こうと思っている風力、太陽光はそれこそ国産なんだけど… しかも、両方共に二酸化炭素を排出しない)

*酸性雨や光化学スモッグなど大気汚染の原因の窒素酸化物や硫黄酸化物を排出しない(これも同上)

*発電コストに占める燃料費の割合が低いため、燃料価格が上昇しても発電コストが上昇しにくい(この特性のある原子力発電をベース供給力に組み込むことで低コストの電力供給が可能になる)

*消費する燃料の重量・体積が小さいので、石油・石炭・ガスに比べて輸送や貯蓄が容易

*核燃料の交換頻度が低い、核燃料物質の入手ルート・価格が確立安定しているなどで、化石燃料発電に比べて安定した電力供給ができる

経済性が高い(ただし、この場合、廃炉や放射性廃棄物の半永久管理に関するコストは、現状では見積もり不可なので考慮されていない)

*資源の乏しい国でも、再処理技術(=核燃料サイクル)の確立で核燃料物質の入手の制約が緩和できる

技術力の国際的アピール(原発技術の海外への売り込みができる)

*海水からのウラン採取が実現すれば燃料はさらに豊富になる(技術はすでに存在する)

*原発設置による、地元の雇用や電源三法交付金(電源立地地域対策交付金ほか)・固定資産税・法人税などの税収確保が期待できる

問題点

保険が限定的にしかかけられていない

 車の自賠責保険のような保険が原発にはかけられていない(火力発電にはかけられている)。日本の場合は、電力会社が「原子力保険プール」の「原子力損害賠償責任保険」に加入し原発1基あたりの最高補償額は600億円。(地震や社会的動乱は免責事項。限度額以上は国が保証)。この他、自動車の任意保険にあたる「原子力財産保険」に加入しておりこちらの補償額は1000億円。原発災害における損害額の試算は各国で算出されているが、その額の支払い能力のある保険会社は存在しない。リスク計算を行って出した保険料は膨大で電力会社が支払えない保険料額となる

原発稼働中に発生する放射線への対処が難しい

 発生する中性子線やガンマ線が施設で働く作業者の健康に有害となる可能性がある。放射化した施設が放出するガンマ線への対処の問題

*発電所内の作業者への膨大な熱量による危険性

 過去の原子力事故では、被曝以前に熱死や焼死のケースもあった

重大事故発生に伴う周辺環境への多大な被害と地球規模に及ぶ影響(例:チェルノブイリ)

放射性廃棄物の発生

放射性廃棄物の処分問題

 数十億年の長い半減期を持つ高レベル放射性廃棄物に対して、地下深くへの埋設処分や深地層処分が検討されているが、漏洩のリスクや地域住民の反対などにより、各国は(広大な国土を持つ米や露などを除き)、処分地確保に問題を抱えている。

原子炉の廃用の諸問題

 原子炉の解体処分は困難な問題であり、出来ても出来なくても長期に渡り廃炉を維持管理しなければならない。今後半永久的に発生する廃炉や放射性廃棄物の永続的な維持費用コストについて見積もりもなく、私たちの子孫にコストを付け回しているという問題がある

 原発の解体に必要な費用について…110万kW級の原発を解体した場合、放射性廃棄物として処理が必要な廃棄物は3%以下(低レベル放射性廃棄物として処分可能と想定)、残りの97%は一般産業廃棄物として処分可能と想定。その試算に基づいて廃炉費用の積み立てを「原子力発電施設解体引当金」として行っているが、電気事業連合会はその試算より多くの放射性廃棄物が発生するという理由で、想定額の2兆6000億円から2兆9000億円に膨らむとしている。すでに廃止措置が決まり解体している米国初期のメーンヤンキー原発では廃棄物の半分が放射能を帯びている結果となっている。2010年頃から本格化する原発老朽化による廃炉に伴う費用予測が正しい想定なのか疑わしいという意見もある。

高レベル放射性廃棄物の最終処分地が未決定

*発電施設、核廃棄物へのテロの危険

*ウラン資源の可採埋蔵量などの資源枯渇問題

 地殻中のウラン235のみの利用の場合、資源がそれほど豊富ではない

軍事転用の問題

 工程で発生する劣化ウランは劣化ウラン弾として使用可能

 核廃棄物はそのままで汚い爆弾として使用可能

 原発そのものが攻撃目標の可能性

 プルトニウムは濃縮を行えば原爆などに転用可能(ただしそれ専用の設備が必要)

*起動停止の所要時間が長い

 特性上、通常は負荷追従運転を行わない(日本)。

 運転停止による損失が非常に大きいため運転し続ける必要がある。需要の増減の調整能力がきわめて弱い。

停止中の炉心冷却問題

 現在の原子炉では運転停止中であっても残留熱除去系・余熱除去系による炉心の冷却が常に必要だが、地震等の苛烈な事故発生時の発電所外部電力・自家発電電力の喪失時には、最悪、炉心溶解の可能性がある

施設建設や周辺整備などに多大なコストがかかる

 火力発電と比べて、原発の設備・施設そのものはコスト高

 対応する揚水発電所の建設コスト

 反対運動への対応としての地元への見返り事業等にかかるコスト

 利用者・電力会社と施設周辺住民との利益・不利益が相応でない

*地方の寒村などに建設されることへの弊害

 生産地と消費地が離れて存在するため長距離送電の電力ロスが大きい、送電網のコスト、送電線での停電リスク

 原発建設地が遠いための諸問題(技術者を遠くから呼ばなければならない・事故などで被爆者が出た場合、遠くの病院まで搬送しなければならないなど)

地質学的側面からの立地場所の限定

 日本の原発の特徴で、海岸沿いに作られるため高波や台風やハリケーンの被害を直接うける

 原子炉を冷やすための大量の海水を温排水として海に戻した時の生態への悪影響への懸念等

*原発の運用や維持管理に必要な高度な技術

 後進国や発展途上国での原発建設の安全性への懸念

*原発の新規建設数が減少していることからのメーカーの原子力部門の技術の継承が困難になっている

 若手技術者の減少傾向、大学の原子力学科の閉鎖(経済面から)

唯一の原爆被爆国である日本では、放射能や放射線に対する嫌悪感や抵抗がつよく、建設予定地での住民の反対運動が頻発する

上の問題点の、『原発の新規建設数が減少していることからのメーカーの原子力部門の技術の継承が困難になっている。若手技術者の減少傾向、大学の原子力学科の閉鎖(経済面から)』については、洞爺湖サミットで宣言されたように、最近はまた世界中で原発推進の傾向にある。大学もまた、原発エネルギーに着目しつつあるので当てはまらない。(で、私はちょっと、原発推進の傾向を懸念したためにこれを書いている)

利点はまず、二酸化炭素や窒素化合物、硫黄酸化物などの有害物質を排出しないということ。特に今、世界中で問題とされている、地球温暖化の原因である二酸化炭素を排出しないというのは、(火力発電では排出するので)原発のいい謳い文句になる。後は、安定した電気供給ができるということか…。技術力の売り込みなどもでき、どちらかというと、供給する側にとっての利点ということになる。

問題点は、事故が起こった時取り返しがつかない位の悪影響を人体と環境に及ぼすことと、そのため放射性物質を管理する様々な対処を、通常からきっちり施していなければならないことと、頻発する反対運動への対処など。問題点は、原発そのものの欠点ということになる。と思っている。

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2009年4月15日 (水)

原子力発電について その3 現状

世界のエネルギー消費と原発

2004年の実績では、世界中のエネルギーの3.5%、世界の電力の15.7%が原発で供給、米国、日本、仏国で、世界中の原子力による電力の57%が発電されている。

2007年には、世界中で435基の原子力動力炉が、31カ国で運転されている(国際原子力機関報告)。

米国の原子力発電量は多く、国内総電力の約20%が原子力発電。仏国に至っては、2006年の実績では80%もの電気エネルギーを原子炉から得ている。欧州連合全体では、電力の30%が原子力エネルギー。日本も総電力の約30%を原子力エネルギーから得ている。

原子力政策は欧州連合加盟の各国で温度差があり、いくつかの加盟国やオーストラリア、アイルランドには稼働中の原発はない。反対に、仏国では59基の原発が稼働しており、火力を含めた総電力の18%をイタリア、イギリス、ドイツに輸出している。(2007)

原発発電が盛んな国では、原発発電量が余剰となる夜間電力を使って電力輸出入を活用していることが多い。仏国の場合、ヨーロッパ中に張り巡らされた送電網で電力輸出入がされている。

将来に向けての研究で「本質的に安全な電子力発電プラント」や核融合炉の開発、高温電気分解による海水淡水化、地域の暖房供給などの研究が続けられている。

原発の今後

現在、世界には、エネルギー源としての原子力の利用を削減・廃止していこうとする流れと利用推進という二つの流れがある。前者の主な国は、ベルギー、ドイツなど。

イタリアは、1987年に原子力発電からの脱却が政策化されたが、2007年に「国際原子力パートナーシップ」への参加を表明、2009年には原子力発電大国の仏国と原子力協力協定を締結、国内に4基の原発を新設するなど脱原発の流れが見直されつつある。

スウェーデンでは、2009年、29年前に国民帳票で決定した原子力発電所の全廃方針を見直し、新規建設を進めることを決定した。温暖化対策で石油依存の急減が急がれる中、世論が原発容認へと変化したため。29年前は28%だった原発依存率は、2008年には47.1%になっていた。同国では、現在10基の原子炉が稼働している。

米国は、2006年に輸入化石燃料への依存量を減らすなどの目的を持つ「国際原子力パートナーシップ」を、日本、仏国、中国、ロシアなどとの協力によって推進していくことを発表した。2007年には、先のイタリアをはじめとして、オーストラリア、ブルガリア、ガーナ、ハンガリー、ヨルダン、カザフスタン、リトアニア。、ポーランド、ルーマニア、スロヴェニア、ウクライナ、カナダ、韓国が参加を表明。核燃料サイクルと高速中性子炉などの第4世代原子炉がこの計画の中心となる。

2008年の洞爺湖サミットの宣言文には、原油価格高騰への対応策として、「原子力を含む技術の採用及び利用を促進する。」という文言で原子力発電の拡充を世界的に推進することが盛り込まれた。

日本の現状

各電力会社での全発電量に占める原子力発電比率(2000年度)は、北海道電力29%、東北電力15%、東京電力45%、中部電力23%、北陸電力18%、関西電力53%、中国電力15%、四国電力48%、九州電力52%、沖縄電力0%(NEDO資料)。

増え続ける使用済み核燃料に含まれるプルトニウムの処分方法とウラニウムの輸入量を減らすための解決策として、高速増殖炉計画が推進されていたが、技術的な困難さのためにとん挫した(否、これはまたもんじゅが再開されようとしていないか?)。現在はMOX燃料によるプルサーマル計画が進められているがこれには賛否両論が存在している(佐賀県の古川県知事が玄海原発でのプルサーマル発電を了承した。反対派がこの最初のプルサーマル発電計画を止められなかった影響は大きいと私は思う。この後、福井県の西川県知事が高浜原発でのプルサーマル発電への事前了解を、静岡県の石川県知事が浜岡原発での計画に事前合意を示し、なし崩し的に着実にプルサーマル発電計画は進んでいる)

2004年、日本における電気量の約30%を原子力が担っている。

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