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2009年5月

2009年5月 4日 (月)

太陽光発電、風力発電 その前に スマートグリッド

スマートグリッド

スマートグリッドとは、エネルギーとコストを節約するために情報技術を用いて供給者と消費者の間の電力伝送を行う技術のこと。

米政策「グリーンニューディール」の柱とも言うべき技術構想で、「電気を送る送電網が頭脳を持ち、最適な電力供給体制を構築する“賢い”次世代送電システム」。つまり、送電網に通信・制御システムを組み込み、発電施設と家庭や工場、ビルなどの施設を結び、発電量に加え、使う側の電力量まで増減させるというもの。

具体的に言うと…一例として、夏に温度が急上昇し、使用電力が増えると発電量を増やしたり、蓄電施設からの供給を素早く指示。それでも足りないと、エアコンの設定温度を下げるなどで、使用電力を減らしてくれる。

また、地球温暖化防止の切り札である太陽光や風力などの自然エネルギーは天候の変化で発電量が突然激減するなど、供給不安定で大量に電力網に組み込むと、電気の需給バランスが崩れ、大停電が起こるリスクもあるのだが、こうした事態を避けることが出来るようになる。使用する側の電気量調整だけでなく、送る方の電気も蓄電機で蓄積することによって、安定した量を出す事ができる。天候に大きく左右され電力供給が不安定な自然エネルギーの欠点を補い、地球環境に一番良い、自然エネルギー利用に希望が持てるシステムだ。

米国では、グリーンニューディール政策の中で重点投資を打ち出し研究も進んでいる。米国ではすでにカリフォルニア州やテキサス州の一部地域で、システムのカギとなる「スマートメーター」が導入されている。(スマートメーターは、電力供給者と消費者の間でデータをやり取りし、エアコンの温度設定を変えるなどの働きを担う)

それに引き換え、日本政府は明確な普及促進に向けた戦略を打ち出しておらず、国際競争力で米国に大きく後れをとる懸念も出ている。日本の独立行政法「新エネルギー・産業技術総合開発機構」は8日、スマートグリッドについて米国と研究協力を進めるための情報交換を開催すると発表した。双方の専門家約30人が参加する。

後れをとっっている日本だが、システムのもう一つのカギである蓄電池は、世界シェアで6割を握るリチウムイオン充電池を送電網に組み込むための大型化の研究開発が進行。さらに、日本ガイシと東京電力は、より大容量の「ナトリウム硫黄(NAS)電池」を共同開発し、風力発電施設ですでに実用化している。

懸念材料は、政府の腰の重さだ。エネルギー安全保障や地球温暖化問題への対策のひとつとして 多くの政府が推進し、米政府は大型の蓄電池開発研究に20億ドル(約2000億円)を投じる方針を決めたほか、関連ベンチャー企業を支援するため、60億ドルの融資保証制度も創設した。

これに対し、日本政府は「スマートグリッドの定義はまだあいまいだ」(経済産業省)という段階で、研究開発の戦略や支援策は打ち出されていない。

経済産業省の望月事務次官は、2009年2月19日の記者会見で、アメリカでスマートグリッドが提唱されているのは送電網がつぎはぎだらけでよく大停電をおこすのが理由で、日本は送電網がしっかりしているから追従する必要はないのではないかという見方を示した。

「エネルギー需給に革命をもたらす」(荻本和彦・東大特任教授)とされるスマートグリッドの開発競争で勝利した国が、標準規格や関連特許を握り、国際競争力で圧倒的に優位に立つ。対応の遅れは、日本が得意とするデジタル家電やIT分野の製品が海外で売れなくなる恐れすらはらんでいる。

日本は、原子力ありきだ。

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太陽光発電、風力発電 その前に

4月22日の朝日新聞から

米国が使用済み核燃料の再処理施設と高速炉の建設を断念した。原発のゴミを減らし、核不拡散を実現する見通しがつかないまま巨額の経費を投じることに疑問と反発が強かったためとのこと。

(確か、米国は第一次石油危機以降、建築費の高騰のため原子力発電の開発がストップし、建設予定の74基(うち28基は着工済みだった)すべて中止されたことがあった。今回は、オバマ大統領の核不拡散宣言というのもあるけど、不況下での巨額の経費ってのもネックというのは似ている…)

アメリカには104基の原発があり、使用済み燃料が出続けている。

もともと米国は、使用済み燃料を再利用せず直接処分する政策だったが、ネバダ州にある最終処分場計画が大幅に遅れ15年頃から処分場が不足する恐れが出てきた。

それで、ブッシュ政権下の06年、再処理して(使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して)廃棄物の量を減らし処分場の寿命を伸ばす狙いから、国際原子力パートナーシップ(GNEP)構想が発表された。

そして米国は、(直接処分政策を続けていたため再処理の技術の蓄積がなかったことから)日本、仏国、露国などを巻き込んで30年ぶりに核燃料サイクル政策にかじを切ろうとし、20年ごろに再処理施設と高速炉を建設する計画を立てた。

だが、新しい再処理技術も高速炉の形式もめどが立っていない。

というのは、米科学アカデミーが07年、パートナーシップ構想の再処理計画を非難する「技術の開発状況が整っていない」という報告書を提出したためだ。パートナーシップ構想は、核テロに使われる恐れがあるプルトニウムに、(核兵器に加工できないように)放射能が高く危険な物質を混ぜて取り出すという新技術をうたっていたが、使用済み核燃料の中に閉じ込めたままのほうが不拡散になるとの意見も根強かった。

再処理施設の建設費は規模や諸条件で異なるが、170億ドル(約1兆7千億円)とのコンサルティング会社の見積もりもあり、実現に懐疑的な見方もあった。08年度予算はブッシュ政権が約4億ドル(約400億円)を求めたが、議会は半分以下の額しか認めなかった。

日本も同じ問題   試運転トラブル続き

使用済み核燃料の再処理は、プルトニウムなどを取り出すことで資源を有効利用し廃棄物を減らせるのが利点とされる。日本はこの「核燃料サイクル」を原子力政策の基本に据え、非核兵器保有国で唯一、商業再処理が認められている。

資源エネルギー庁幹部は、米国の政策転換について日本の政策には影響ないと話すが、米国と通ずる問題は抱えている。技術的課題と膨大な費用の問題だ。六ヶ所村の再処理工場は建設に2兆1930億円をかけたが、今後40年で再処理などに約19兆円かかると試算され、電力会社が電気料金から積み立ててるのが現状だ。06年に試運転を始めたが廃棄物処理過程でトラブルが続き、本格稼動がずれ込んでいる。

再処理の先にあるのが高速増殖炉。プルトニウムは当面、既存の原子炉でプルサーマルで燃やす計画だが、それは燃料節約の効果が小さい。高速増殖炉なら燃料を使った以上に増殖できる。ただ、高速増殖炉は冷却に使うナトリウムの扱いが難しく、ナトリウム漏れを起こした「もんじゅ」はとまったままだ。(ただし、もんじゅを再開しようという動きは出ている)

日本は、05年に閣議決定された原子力政策大網で再処理、高速増殖炉路線を選択したが、再処理工場をはじめとする核燃料サイクルの行き詰まりが長引き、米国のように見直し議論が再燃しかねない。

オバマ政権は核不拡散を念頭に、日本の新施設の建設には厳しい態度で臨むとみられる。

日本は、六ヶ所村の再処理工場の次を担う第2工場の検討を10年ごろから始める。

無知で申し訳ないが、日本は「核燃料サイクルを原子力政策の基本に据え」、再処理、高速増殖炉路線を選択していたとは知らなかった。

どうりで、原発反対運動が、実らないわけだ。

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