« 原子力発電について その2 歴史 | トップページ | 原子力発電について その4 諸議論 »

2009年4月15日 (水)

原子力発電について その3 現状

世界のエネルギー消費と原発

2004年の実績では、世界中のエネルギーの3.5%、世界の電力の15.7%が原発で供給、米国、日本、仏国で、世界中の原子力による電力の57%が発電されている。

2007年には、世界中で435基の原子力動力炉が、31カ国で運転されている(国際原子力機関報告)。

米国の原子力発電量は多く、国内総電力の約20%が原子力発電。仏国に至っては、2006年の実績では80%もの電気エネルギーを原子炉から得ている。欧州連合全体では、電力の30%が原子力エネルギー。日本も総電力の約30%を原子力エネルギーから得ている。

原子力政策は欧州連合加盟の各国で温度差があり、いくつかの加盟国やオーストラリア、アイルランドには稼働中の原発はない。反対に、仏国では59基の原発が稼働しており、火力を含めた総電力の18%をイタリア、イギリス、ドイツに輸出している。(2007)

原発発電が盛んな国では、原発発電量が余剰となる夜間電力を使って電力輸出入を活用していることが多い。仏国の場合、ヨーロッパ中に張り巡らされた送電網で電力輸出入がされている。

将来に向けての研究で「本質的に安全な電子力発電プラント」や核融合炉の開発、高温電気分解による海水淡水化、地域の暖房供給などの研究が続けられている。

原発の今後

現在、世界には、エネルギー源としての原子力の利用を削減・廃止していこうとする流れと利用推進という二つの流れがある。前者の主な国は、ベルギー、ドイツなど。

イタリアは、1987年に原子力発電からの脱却が政策化されたが、2007年に「国際原子力パートナーシップ」への参加を表明、2009年には原子力発電大国の仏国と原子力協力協定を締結、国内に4基の原発を新設するなど脱原発の流れが見直されつつある。

スウェーデンでは、2009年、29年前に国民帳票で決定した原子力発電所の全廃方針を見直し、新規建設を進めることを決定した。温暖化対策で石油依存の急減が急がれる中、世論が原発容認へと変化したため。29年前は28%だった原発依存率は、2008年には47.1%になっていた。同国では、現在10基の原子炉が稼働している。

米国は、2006年に輸入化石燃料への依存量を減らすなどの目的を持つ「国際原子力パートナーシップ」を、日本、仏国、中国、ロシアなどとの協力によって推進していくことを発表した。2007年には、先のイタリアをはじめとして、オーストラリア、ブルガリア、ガーナ、ハンガリー、ヨルダン、カザフスタン、リトアニア。、ポーランド、ルーマニア、スロヴェニア、ウクライナ、カナダ、韓国が参加を表明。核燃料サイクルと高速中性子炉などの第4世代原子炉がこの計画の中心となる。

2008年の洞爺湖サミットの宣言文には、原油価格高騰への対応策として、「原子力を含む技術の採用及び利用を促進する。」という文言で原子力発電の拡充を世界的に推進することが盛り込まれた。

日本の現状

各電力会社での全発電量に占める原子力発電比率(2000年度)は、北海道電力29%、東北電力15%、東京電力45%、中部電力23%、北陸電力18%、関西電力53%、中国電力15%、四国電力48%、九州電力52%、沖縄電力0%(NEDO資料)。

増え続ける使用済み核燃料に含まれるプルトニウムの処分方法とウラニウムの輸入量を減らすための解決策として、高速増殖炉計画が推進されていたが、技術的な困難さのためにとん挫した(否、これはまたもんじゅが再開されようとしていないか?)。現在はMOX燃料によるプルサーマル計画が進められているがこれには賛否両論が存在している(佐賀県の古川県知事が玄海原発でのプルサーマル発電を了承した。反対派がこの最初のプルサーマル発電計画を止められなかった影響は大きいと私は思う。この後、福井県の西川県知事が高浜原発でのプルサーマル発電への事前了解を、静岡県の石川県知事が浜岡原発での計画に事前合意を示し、なし崩し的に着実にプルサーマル発電計画は進んでいる)

2004年、日本における電気量の約30%を原子力が担っている。

|

« 原子力発電について その2 歴史 | トップページ | 原子力発電について その4 諸議論 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 原子力発電について その3 現状:

» 北電 オール電化 [落下傘だよ、おっかさん!]
札幌市中心部で一時停電、信号機やATM停止約1時間25分後に完全復旧したが、自家発電設備のないオフィスの明かりが消えたり、信号機が動かなくなったりしたほか、一部銀行の現金自動預け払い機(ATM)も停止するなど混乱した。 北海道電力は地域内にある変電設備のト..... [続きを読む]

受信: 2009年4月19日 (日) 16時26分

« 原子力発電について その2 歴史 | トップページ | 原子力発電について その4 諸議論 »